子育て後に40代で仕事復帰する女性は減少!?L字カーブを描く正規雇用率

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女性の雇用は従来20代と40代の2つにピークを持つM字カーブと言われていました。
これは、子育てで一度職を離れた女性が、
子供の自立と共に仕事に戻ってきたためと考えられます。

ところが令和3年(2020年)調査では、20代をピークとして下降の一途をたどる
L字カーブに変化しつつあります。
今後、女性は「子育てをしながら非正規雇用者として働くこと」が
一般的になりつつあるといえるのかもしれません。

●女性の就業率の変化

>女性の就業率は20代後半と40代後半にピーク

昔の日本人女性の働き方は、M字カーブを描くと言われていました。
20代の女性の正規雇用率が高く、子育て等がひと段落したら、
再び正規雇用率が上がるというものです。

一つ目のピークは25~29歳、そして、2つ目のピークは45~49歳になります。
これは、結婚したら家に入って子育てにいそしむのが一般的であり、
子育てがひと段落する時期の40代に職を求めても、
企業の雇用がそろっていた(もしくは復職制度が整っていた)ためと考えられます。

>M字カーブからL字カーブに変化しつつある女性の雇用

女性の雇用率を示す「M字カーブ」の修正を図るため、
政府は育休制度の充実や働き方改革を進めてきました。
しかし、令和3年に発表された内閣府の調査によると
女性の正規雇用者数は、20大後半をピークにして、
2つ目のピークがほとんど現れずに、そのまま低下していくという結果が得られています。

さらに、共働きの数の増加に比べて、女性の正規雇用者数が減っているのです。
これは、アルファベットのLに似ていることから、
女性の正規雇用率は「M字カーブ」から「L字カーブ」に変化しつつあると言えそうです。
今後、女性は「子育てをしながら非正規雇用者として働くこと」が
一般的になっていくのかもしれません。
(出典:https://www5.cao.go.jp/keizai2/keizai-syakai/future2/saishu.pdf

●なぜ女性の正規雇用はL字型を描くのか

>働きたくとも一度会社を離れると「正社員」となるのが難しい

日本や韓国では、明治時代から新卒一括採用が主流です。欧米型の通年採用型と比べて
就職率が高いと言われていますが、メリットばかりではありません。
途中で転職した場合はもちろん、理由を問わず、一度正社員から脱落すると、
同じ道に戻るのは容易ではありません。

ただし、令和2年まではこれほどL型が鮮明ではありませんでした。
令和3年のコロナ禍に、企業業績の悪化から
女性の非正規雇用化に拍車がかかったのかもしれません。

>40代はロスジェネ世代

特にロスジェネレーションと呼ばれる氷河期世代は不遇の時代です。
(93年から05年に卒業した1971年~1981年生まれ。22年時点で41歳から51歳を迎える人)
「専門性を高めることができる」と言う名目の元に、製造から研究まで
派遣型の雇用が広がった世代でもあります。

そんな中において、女性はさらに風当たりが強く、
男性よりも正規雇用につくことができませんでした。
その結果、非正規で就業してきた40代女性が、子育てを終えても
パートなどの非正規雇用につくしかなかったとも言えそうです。

●少しずつ変わりつつある世の中

近年、電通の過労死自殺を契機として、日本の働き方は見直されつつあります。
とは言え、フルリモートやフレックス制、週休3日制や選択式時短勤務は
全ての企業に一般化されているものではありません。

また、終身雇用・年功序列制度が難しくなっている今、
会社によっては人事評価に成果主義を組み込む例も増えました。
これは「仕事をしたいのに時間がなくてできない」という女性には朗報です。
ただし「ほどほどに仕事をして、なんとなくお金を稼ぎたい」という女性にとっては、
非正規雇用に移るきっかけとなるのかもしれません。

●まとめ

40代女性の正規雇用変化についてまとめました。
女性の正規雇用は、M字型からL字型に変化しつつあります。
子育てを終えて、仕事に戻りたい(戻らなければならない)女性の割合に対して、
正規雇用の職が少ないのは、一度正規雇用を離れると、
復帰するのが難しいという日本の雇用制度に問題があると言えそうです。

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