子育てのイライラが止まらない!育児負担が減らないのは社会変化が原因かも

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子育て中のママは「できるだけニコニコ顔でいたい」と
思っているはずですが、現実はそう甘くありません。

家事や育児に追われて余裕がなく、いつも身体は疲れ気味、
些細なことでイライラして止まらないという人も多くいます。

便利家電が増えたのに、なぜ現代の子育てがしんどいのか。
その理由について社会学的見地から考察した記事があったのでご紹介します。

愛知学院大学の鈴木准教授によると、
子育て世代のマイノリティ化、ママたちのライフスタイルの多様化、
自己責任論の浸透という3つの原因があるようです。

●社会学者から見た現代の子育て

>便利家電減った家事の時間は育児に振り分けられた

ママでもある愛知学院大学の准教授 鈴木佳代さんが
現代の子育てがなぜしんどいのかについて考察しています。

現代は、便利・時短家電が発明され、ファミリーサポートをはじめとした
ベビーシッターサービスも浸透してきました。

このため「洗濯は全自動洗濯機に、掃除は自動掃除機に、食器洗いは食洗器に
任せればいいんだから、家で赤ちゃん見てるだけのママは楽でしょ?」
という声は、どこからともなく聞こえてきます。

しかし実際は違うのです。
総務省の社会生活基本調査のデータで「両親の育児時間」を
5年ごとに比較してみると、男女ともに家事時間は減っているのですが、
その分育児時間が増加し、暇な時間は全く増えていないのが現状なのです。

特にその傾向は、女性で顕著です。
日本では昔から家事・育児は女性が担うものという意識が強く、
女性の平均賃金が男性に比べて安いこともあって、
子供が生まれた場合に仕事をセーブする役目は女性になりがちです。

そのため、男性の育児時間はほとんど伸びず、
減らした家事の分だけ女性が育児を頑張るしかない状況にあるのです。

●現代の子育てが苛酷になった3つの原因

鈴木准教授によると、家事育児が昔よりも苛酷になった原因は
3つあるとされています。

原因1:少子化で身近に子供がいる人が減ったためことから、
世間において子育てへの助力や共感が得られにくくなった。

原因2:ママたちのライフスタイルの多様化による分断が起きた。

原因3:「子供の行動は親が常に監視して責任を取るべき」という
社会的風潮の高まりが起きている。

●原因1:子育て世帯のマイノリティ化

原因1に関連するのは、子育て世帯の現象です。
1986年の国税調査において「夫婦と子供」からなる核家族は
46%ありましたが、25年後の2015年には27%まで激減し、
2019年時点では21.7%にまで減っています。2022年には20%以下です。

35年前はほぼ2世帯に1世帯に子供がいたのに、
今は5世帯に1世帯しか子供がいないのですから、
4世帯は1世帯に気をつかうよりも、残りの世帯で意見を合わせます。

要するに、子育て世帯は明らかなマイノリティーになったため、
マジョリティに気をつかう必要が出てきたのです。

なお、最も増えたのは単身世帯であり、35%を超えるとされています。
2040年には全都道府県において、単身世帯が「夫婦と子」世帯を
上回ることになります。

●原因2:ママたちの分断

1970年から80年、子育てをしているママのほとんどは専業主婦でした。
しかし、それからママたちが働く割合が増え、2017年には
子どもが未就学児であっても半数が何らかの仕事についている状態です。

また、ママたちの働き方は様々です。
正社員、パートタイム、時短勤務とバラバラで、収入に差があり、
身近に頼れる人がいる人・いない人の間でも意識の差があります。

これらの家庭の状況から、同じママだからと言って、
情報をオープンにして助けあえる環境ではなくなりました。

●原因3:自己責任論

日本では昔に比べて自己責任論が高まっています。
「自分で子供を産んだのだから、自分で責任を取るべきだ」という
考えが浸透しているのです。

子の安全を見守るのも親の務め、勉強を見るのも親の務め、
公共の場でマイノリティに不快な思いを
させないようにするのも親の務めとなっているため、
親はどこにいても周りに気を配らなければならなくなりました。

癇癪が止まらない子供に対して、見守る人よりも、
怒鳴る人、無視する人が増えたのが日本の現状です。

●まとめ

便利家電が増えても子育てに余裕がなくイライラする原因は、
社会の変化や多様性が根本にあるようです。

保育園や遊び場での子供の声は騒音とみなさないとした
ドイツの法律を日本に持ってくることはできませんが、
2023年4月から発足するこども家庭庁の活躍を期待したいと思います。

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