子育ての悩み「一人っ子はかわいそう」の理由知って肩の力を抜こう!

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昔、一人っ子を育てる親の悩みは『かわいそう』と言われることだったようです。
今そのようなことを言われる機会は減ってきましたが、
きょうだいがいないことでどのようなデメリットがある(と言われている)のか、
知っておいて損はないでしょう。

ある論文によると、小学生3,4年を対象とした調査で
社会的スキルは、きょうだいがいる場合に比べて低く、
攻撃性や引っ込み思案の割合が、高くなる傾向がみられたようです。

ただし、この傾向は19歳前後の調査では、見られなくなったという論文もあります。
一人っ子は、親の愛情を受ける環境が整っているため、自己肯定感が高くなります。
そのメリットを生かしつつ、同年代の子供と触れ合う機会を増やすようにしましょう。

●子供が一人の夫婦の割合は20%

国立社会保障・人口問題研究所が5年ごとに行っている出生動向基本調査
(結婚と出産に関する全国調査)について、2015年の調査結果がまとめられています。

これを見ると、前回調査以降、子供が2人という家庭と、子供は3人という
家庭の割合が減少し、子供は1人だけという夫婦の割合と、4人以上という家庭が
やや増加しているようです。子供がいない夫婦の割合はほぼ変わっていません。

●なぜ一人っ子はかわいそうだと思われるのか?

これは、1800年代後半の著名な児童心理学の専門家、Granville Stanley Hallが
『一人っ子であるということは 「それ自体が病気」 である』と言ったことに
関係しているようです。

1980年代の論文でも、一人っ子は両親からの関心と愛情を
ひとり占めにし、大人だけの環境に置かれることが多いため、
大人びるのが早いものの、情緒的な発達は遅れ気味であると言われています。

ただし今では、親からの愛情を十分に得ることのできる一人っ子は、
自己肯定感を高める適切な環境にいるとも言われています。

●一人っ子の性格について調べた論文

>小学生までは影響が出る可能性がある

ひとりっ子の性格について研究した、2011年発表の論文
「児童の対人認知と社会的スキルに関する研究

―きょうだいのある子とひとりっ子の比較を中心に―」を見てみましょう。
こちらの論文では、小学校3、4年生の117名に対して行った
アンケート及び面接をもとに、まとめられています。

その結果、円滑な人間関係の形成につながる社会的スキルは、
きょうだいのいる子の方が高く、逆に、引っ込み思案、攻撃性については、
ひとりっ子の方が高いという結果になりました。

これは、きょうだい喧嘩の経験の有無による相手の痛みの予測、
感情のコントロールの機会が少ないからではないかと言われています。

また、この傾向は男女差の影響も大きく、ひとりっ子の男児と、
きょうだいのいる女児では明らかな差があるようです。

>大人になると影響はなくなる

それでは、もっと大人になると、きょうだいの有無による影響は
大きくなった時の性格にどのような影響を及ぼすのでしょうか。

1994年に発表された「きょうだい関係と性格 2.自己評定による検討」
という論文があります。この研究は、きょうだい関係の違いによって、
青年期の性格に違いがみられるだろうという仮説を実証するために、
女子短大生を対象にして、自己評価に基づく性格分析ったものです。
この調査は2回行われ、1回目が1051名(1992年)、
2回目が1065名(1993年)に対して行われています。

その結果、女子短大生の場合、兄弟(姉妹)の数や出生の順序、
男女構成による性格の差異は、ほとんど見られなかったとまとめられています。

もちろん、成人になるまで影響が残っている可能性もありますが、
この著者の「YG検査による検討(就活で行う適性検査のようなもの)」の論文でも
同じような結果が得られたようです。

●一人っ子の親が気を付けたいこと

一人っ子の場合、やはり圧倒的に同じ年齢の子供と接する機会が少なくなります。
同世代の子と関わる機会を増やし、社会性を身に着けるように促してあげましょう。

また、両親が『しっかり育てよう』と、厳しくしつけすぎる傾向もあるようです。
これでは、せっかくの自己肯定感が低くなってしまいますので、注意してください。

●まとめ

一人っ子の子育ては、比較対象がないことがメリットでありデメリットです。
親が悩みすぎず、おおらかな態度で子供と接してあげることで、
最大のメリットである自己肯定感を高めることができるでしょう。

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