子育てと仕事の両立ストレスは女性の方が高い?論文から結果考察!

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女性の社会進出の促進や、長引く不況の影響により、共働きの家庭が
増加しています。
それに伴い、仕事と家事・子育ての両立にストレスを感じる女性が
多くみられるようになりました。男性にもこの傾向は見られますが、
日本では長らく「家事と子育ては女性の仕事」とされていたこともあり、
周囲の理解不足から、女性の負担は重くなりがちです。

2016年に発表された論文から、仕事と家庭生活の両立ストレスに関する
考察を見ていくと、男性は自身の年収が高ければ両立ストレスが低く、
女性は配偶者(男性)の年収が高い場合や、就業時間が短いほど、
両立ストレスが高いという結果が出ています。

●論文の内容からみた両立ストレスとは

2016年に発表された論文「WLBの実現度と生活要因の大切さ
―仕事と家庭生活の両立ストレスを用いた考察―」を見てみましょう。
この論文は、リクルートワークス研究所が2016年1月に行った
「全国就業実態パネル調査」というインターネットモニター調査(標本調査)から
集められた情報を収集したものです。仕事と家庭生活の両立ストレスに関して、
以下の二つの問いに関する結果が集計されています。

①昨年あなたは、ご自分の仕事と家庭生活の両立にストレスを感じましたか。
(1年間のうち、少しでも働いた人が対象)
評価方法:強く感じていた~ 全く感じていなかったの5段階評価
②①の設問で、「強く感じていた」「感じていた」「少し感じていた」と
回答した人を対象とした設問。
仕事と家庭生活の両立にストレスを感じた原因は何ですか。

●論文の集計結果

論文の内容から、両立ストレスの大きい人と小さい人の傾向をまとめてみました。

>両立ストレスが大きい(ストレス過多)人々とは?

・女性の方が男性よりも両立ストレスが大きい。
・年齢が若いほどストレスが大きい。
・未就学児以上の子供がいる家庭は両立ストレスが大きい。
・女性は、本人の状況よりも配偶者の年収が高い場合に両立ストレスが大きい。
・男女ともに、正規雇用者や長時間労働者と親と同居している人には、両立スト
レスが大きい人が多い。
・特に女性の方が男性よりも週労働時間が35 時間以下(1日平均7時間以下の労働)
である場合に、両立ストレスが大きい。
・長時間労働になればなるほど両立ストレスが大きい。
・有給休暇の取得率が高いほど両立ストレスが大きい。
・通勤に時間が長いほど両立ストレスが大きい。

>両立ストレスが小さい(ストレス少)人々とは?

・男女ともに、年齢が高い人、配偶者がいる人、子どもがいる人、子どもの人数が
多い人、大学・大学院卒の人には両立ストレスが小さい人が多い。
・男性については本人の年収が高いと、両立ストレスが小さい。
・柔軟性が高い仕事に就いている人や配偶者と同居している人には両立ストレスが
小さい人が多い。
・最終学歴が大学・大学院卒以上の場合、両立ストレスが小さい場合が多い。

●両立ストレスに関する考察まとめ

両立ストレスの原因は大きく4つ、仕事関連ストレス、家事ストレス、
子育てストレス、健康・介護ストレスに分けられるとされています。
このうち男性は、仕事によるストレスが最も大きいのに対し、
女性は家事によるストレスが最も大きくなっています。

またそれらのストレスは、主に対人関係によって生まれているようです。
周囲の無理解、過度な期待は、これらのストレスの最たる原因と言えるでしょう。

●両立ストレスは当たり前!自分を責めないで!

論文の中で仕事と子育ての両立ストレスを軽減するための
具体的な取り組みの一例として、日本で根付いている価値観の変化を
促すことを求めています。

「伝統的な性別役割分担をベースとした男女の働き方」から
「伝統的な働き方を含めた多様な働き方」への理解の促進です。

また、NHKの「まいにちスクスク」の2020年8月10日放送回では、
女性が育児の適正を持っているというイメージ自体がおかしいと
思ってほしいと触れられています。子育ては仕事とは逆に、
合理的・効率的・ミスなく行うことは不可能です。
それを家族はもちろん、職場や社会が理解することが大切ですね。

●まとめ

仕事と子育ての両立ストレスについてまとめてみました。
女性の年収の高いと両立ストレスが低いという結果が出てないことからも、
仕事と子育ての両立に関しては、女性の負担が大きいことが分かりますね。

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