一人っ子の子育ての悩み「一人っ子はかわいそう」と言われたらどうする?

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月刊誌の編集者を経てコラムニストをしている石原壮一郎さんが書かれた記事に
「一人っ子がかわいそう」といわれる理由についての考察がありました。

結論としては、一人っ子がかわいそうと言われるのは、
親や周囲の偏見が大きいのではないかと述べられています。

子育ての悩みを「一人っ子だから」という、分かりやすい理由に結び付けるのは簡単ですが、
最新の海外の研究によると、一人っ子だから自己愛が強い、
社会性が低いという結果にはならないようです。

子供の性格は、親の収入や住んでいる場所、親の接し方など、
さまざまな要因に影響を受けます。

まずは親自身が偏見をなくし、「一人っ子はかわいそう」と言われたら
鼻で笑うぐらいの強さを身につけたいですね。

●一人っ子家庭の割合は約20%

日本の出生者数は、2021年時点で80万人です。
年間の死亡者数が130万人ですから、少子化がどんどんと進んでいることが分かります。

なお、この割合は、予想よりも10年ほど速いペースになっているようです。
2015年に行われた「出生動向基本調査」によると、一人っ子家庭の割合は
三人以上の割合とほぼ同等の約20%程です(ふたりっ子家庭は約60%)。

1980~2000年ごろまで一人っ子の割合は10%程度でしたが、
2010年になって一気に20%近くまで上昇したようです。

これは、1997年の男女雇用機会均等法の改正により、
女性労働者を男性と差別的に取り扱うことを禁止したことにより、
女性が新たな生き方を選択するようになったことも関係しているのかもしれません。

●一人っ子の子育ては何が悩み?

良くあるのが「言葉の発達が遅い」「我慢ができない」というものです。
きょうだい児がいない分、発達の速度を比べることもできず、
このままで良いのだろうかと悩んでしまいがちです。

周囲の「大丈夫だよ」という意見を素直に聞けなくなった時は、
保健師さんや専門の先生に相談しましょう。

なお、一人っ子の子育てのメリットとして、親や周囲の大人の愛情を
ひとり占めできる分、精神的に安定するという点が挙げられます。
その反面、親は過干渉になりすぎないように十分注意してください。

●一人っ子に関する各国の研究

>ドイツの研究「一人っ子はわがまま」は間違い

一人っ子の場合、社会性が育ちにくく自己愛が強くなる(わがままになる)と
言われることがあります。

2019年9月、ドイツのライプツィヒ大学の心理学者らの研究チームにより
自己愛的特性について調査した結果が公表されました。

対象は、ドイツに住む1人っ子233人を含む1810人です。
親の社会経済的地位、回答者の性別、居住地(田舎か都会か)を考慮し、
自己愛は、他の人からの称賛や注目を求める自己愛的特性と、
自分への批判を避けるため他人へ示す攻撃的な特性という2つの側面から測定してます。
その結果、一人っ子ときょうだい児の間に性格的な違いは確認されなかったとされています。

>中国の研究「一人っ子は社交的」

2002年の論文ですが、一人っ子政策が行われていた中国において、
高校生・大学生(一人っ子255名,きょうだい児158名)のYG性格検査および
親子関係診断検査を実施した結果が論文になっています。

その結果、一人っ子はそうでない場合に比べて社交的であり、
情緒が安定している傾向にあるとされています。
なお、この傾向は親の養育態度が大きく関係しているようです。

●「一人っ子はかわいそう」は偏見のなせる業

月刊誌の編集者を経て、500冊を越える人生相談本を読破した
コラムニストの石原壮一郎さんが「一人っ子はかわいそう」と
言われる理由について考察しています。

結論として一人っ子は別にかわいそうでも何でもなく、
「かわいそう」という要素があるとしたら、次の2点ではないかとされています。

その1:周りからの「かわいそう」という声を聞きすぎて親も子供もそう思い込んでしまう。
その2:子供の個性を「一人っ子だからこういう性格」と決めつけられる。

もしも、「一人っ子はよくないのでしょうか」という悩みがあるのならば、
「あなたがそう思えば思うほど、よくなくなる」と述べられています。

●まとめ

一人っ子の子育ての悩みについてまとめました。
各国の研究論文を見ると、一人っ子だからと言って社会性が低くなったり、
自己愛が強く出たりはしないようです。
「一人っ子はかわいそう」と言われたら、鼻で笑うぐらいの強さを身に着けたいですね。

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