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子育てでイライラする最も大きな理由は「自分に余裕がないから」に尽きるようです。
その場の感情に任せて子供を怒鳴りつけて、あとで「叱りすぎた」と反省した経験を
お持ちの方はいらっしゃいませんか?
このイライラや反省する機会を少しでも減らすために、やる気を出させる方法として、
「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」について学んでみましょう。
内発的動機づけは「サッカーが好きだから夜遅くまで練習する」
外発的動機づけは「テストで80点以上取ったらゲームを買う」といった感じです。
そして、外発的動機づけを繰り返すと、もともとあったやる気を低下させてしまう
「アンダーマイニング効果」をもたらすとも言われています。
●やる気を出させる2つの方法「内発的動機づけ」
「外発的動機づけ」
やる気には2種類あり、行動に対する達成感や、行動そのものに対する喜びから生まれる
「内発的動機づけ」と、報酬や賞賛から生まれる「外発的動機づけ」があります。
子供のやる気を持続するためには、2種類の動機づけのうち
内発的動機づけが重要とされています。
●ご褒美作戦はやる気をそぐ!?アンダーマイニング効果
子供は基本的に好奇心が旺盛で、外遊びが大好きです。
公園や児童館で楽しく遊んでいると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。
ママは頭の中で今日のスケジュールを逆算して、そろそろ帰らなくてはと考えます。
しかし子供はというと、自分の興味のあるものに夢中です。
「あと10分したら帰るよ」という呼びかけに「はーい!」と良い返事が返ってきても
時間になっても帰りたがらないという経験は、よくあるのではないでしょうか。
このような時、イライラしてしまいますよね?
お菓子などのモノで釣るという行為は、確かに効果がありますが、子供は頭が良いので
「帰りたくないと駄々をこねればお菓子をもらえる」と学習してしまいます。
この例で言うと「お菓子がもらえるから帰る」は外発的動機づけであり、
「家でブロック遊びがしたくなったから帰る」は内発的動機づけになります。
また「怒られたくないから帰る」というのも、実は外発的動機づけにあたります。
そして、ご褒美作戦を繰り返すと「アンダーマイニング効果」と呼ばれる、
子供のやる気や自発的行動を奪う可能性があると言われています。
趣味を仕事にすると途端にやる気がなくなるというのは、この効果によるものと
言えるかもしれません。
●幼児を対象にしたスタンフォード大の研究例
内発的動機づけと外発的動機づけを学んでみても、
小さな子供にやる気を出させるのは難しいと思ってはいませんか?
ここに興味深い例があります。
スタンフォード大学の研究で、絵が好きな3~5歳の幼児を対象に3つのグループに分け、
報酬とやる気に関しての観察を行いました。
グループ1:絵が上手に描けたら賞状を与えると約束したグループ
グループ2:約束をしないで絵が上手に描けたら賞状を与えるグループ
グループ3:何も与えないグループ
1~2週間後、報酬を与えずにただ絵を描いてもらうと、
グループ1だけが、絵を描く時間が減ったという結果が得らたのです。
もともと絵を描くのが好きだったにもかかわらず、「外発的動機づけ」により
「内発的動機づけ」が阻害されてしまったというわけです。
これが「アンダーマイニング効果」です。
●小学校低学年を対象にした発達心理学者の研究例
同様の例として、アメリカの発達心理学者が1925年に行った研究があります。
こちらの研究では、小学校低学年を対象としています。
グループ1:テストの出来に関わらず褒めてくれるグループ
グループ2:テストの出来に関わらず叱るグループ
グループ3:何にも言わないグループ
結果、グループ1では成績が70%以上も増加し、モチベーションの低下が
見られなかったそうです。
●内発的動機づけを高めるためにはどうすればよい?
上の二つの例を見てわかることは、結果を伴わない行動に対しても
褒めるように心がけていると、内発的動機づけを高める効果があるようです。
また、予定外のご褒美に、内発的動機づけへの悪影響はありません。
人は自分が他者に管理されていると感じると、やる気がそがれてしまいます。
かといって選択肢を与えすぎると、コントロールが効かなくなるという場合は、
いくつか選択肢を与えてあげると、自律心が育つようです。
●まとめ
子育てでイライラしてしまうことはよくあります。
それを反省する前に、子供のやる気を引き出す「内発的動機づけ」と
「外発的動機づけ」について学びました。
子供が小さなころはもちろん、中高生になっても使える知識ですから、
この機会にしっかりと学んでみてはいかがでしょうか。
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