子供の習い事と父親の関係性。父親の意識が高いと子供もやる気UP！

少し古いですが、子供の習い事と父親の関係を考察した論文が発表されています。
スイミングスクールに通う362組の家族にアンケートを行ったところ、
子供の習い事に関する父親の関心が高いほど、送迎や見学などの行動も多くなり、
夫婦間の協力関係も生まれることから、習い事に対する子供の意識も高くなる
という結果が示されているのです。

子供が親に褒めてもらいたいという気持ちを持つのは自然なことと言えますから、
これは一種当たり前と言えるかもしれませんが、「有意差あり」として論文化さ
れたことに意味があります。

●論文について

＞論文のもとになったアンケート

論文の表題は「子どもの習い事を媒介となる父親の子育て参加と子供の
自己受容感―スイミングスクールを対象とした調査から―」というものです。

2009年に発表された論文ですが、アンケート自体は2006年に行われています。
ここ数年で働き方改革が進められつつありますので、父親の習い事に関する
関わり方や意識も、当時と今とでは少し状況が異なっているかもしれませんが、
父親の習い事への関わり方は、子供の意識向上に役立つという部分は、
今とそれほど変わりはないのではないかと考えられます。

なお、本アンケートはスイミングスクールに通う家庭に対して行われて
いますが、これはベネッセが2002年9月に実施した調査において、
スイミングが「習い事経験率1位」かつ「習わせて良かったと思う習い事1位」
だったためのようです。

調査機関：2006年7月～10月
調査対象：全国規模のスイミングスクール11項において、
父親・母親・子供の3者マッチングによる質問を実施。
プライバシー保護のために、父親・母親・子供それぞれ
別の回収用封筒に入れた上で、3組をまとめて提出。
回答数：362組（小学校中学年以上の2448組に配布し、
3者のデータがすべて出そろったものを1組としてカウント）

＞アンケート回答者の平均年収等

父親の年齢：43.0歳
母親の年齢：40.3歳
子供の年齢：10.7歳
子どもの人数：2.2人（8割が核家族）
父親の学歴：高卒33.4％、4大卒48.9％
一日の労働時間：10.2時間
世帯年収（母親の収入を含む）：745万円

＞アンケートを踏まえた論文の考察

子どもの習い事に関する父親の意識には、親としての自覚や、夫婦の
協力関係が影響しています。また、父親が子どもの習い事に関連した行動
（送迎や応援、関連情報の収集、習い事関連の話について語るなど）
をとることで、習い事に対して子どもが積極的になり、自信がついて、
自己肯定感を高めるということにつながるようです。